4/19(水) 午後1時半より、東京高裁(刑事102号法廷)で、安田さんに対する「強制執行妨害事件」控訴審(第1審は安田さん無罪)の第2回公判が開かれました。今回、右陪席・左陪席の両裁判官が交替したので(右・飯渕進裁判官、左・金子大作裁判官)、裁判官交替に伴い、弁護側が更新意見披瀝の権利を行使し、「更新意見書」その1を陳述しました。この意見書は、本日証人として招致されたI氏の供述について、その位置づけや性格を、控訴審裁判所に理解してもらうためのものでした。
(本意見書は後日アップするつもりです。)
続いて本日招致されたI証人への検察側主尋問に移るという段取りでしたが、思わぬ紛糾がここで発生しました。今回、控訴審における検察側の証拠調べ請求の一環として、I証人の証人尋問が請求されており、それが前回公判において裁判所に採用されていました。それに対して、弁護側がI証人のこれまでの上申書と供述調書を全部出すよう要求していました。この件に関する第1回公判以降の3者(裁判所、弁護団、検察)でのやり取りの中で、I証人の上申書が、なんと1通「行方不明」になっていることが判明。その上申書の存在についての弁護側求釈明に対して、第2回公判の前日になってやっと、検察側の意見書が弁護側に送付されました。
それによれば、検察は問題の上申書がI証人の上申書である可能性があるが、調査するもその存在が未確認である、とのこと。
弁護側としては、このような重要証拠が「紛失」されるはずがないということから、捜査機関による証拠隠滅を疑い、その上申書が開示されないままで、「上申書の作成の経緯」を立証趣旨とした証人調べを本日検察がする、ということは、弁護人の反対尋問権の侵害で、刑訴法、憲法に違反するものとして、本日の証人尋問実施の中止を求めて異議を呈しました。
しかし、裁判所は異議を却下し本日のI証人の証人尋問を行いました。しかし、裁判所としても重要な上申書が行方不明であるという事態は納得がいかないということで、速やかに所在を調査するよう検察側に注意しました。
I証人の尋問は、ほぼ1審の重複。なにしろ証人は、上申書に書いた内容や書いた経緯についてもほとんど記憶がないので、何を聞かれても「記憶にありません」という答弁の繰り返しになってしまいました。検察が対処に困って誘導尋問を行うたびに弁護側から異議が申し立てられ、検察官が対応に詰まる場面も多々見られました。
結局、I証人の2通の上申書や、1審でもおなじみのIメモ(再建ノートや手帳など)に出てくるI証人独自の符丁や用語の意味などをたずねることに終始しました。
なぜこのような内容的に進歩のない尋問を検察があえて繰り返しのように行ったか。ひとつの端的な例をとりあげれば、I証人用語であるところの「経営会議」というメモ上のキーワードがあります。
これは、実態としては、会社が顧問弁護士にする通常の「法律相談」でした。そのことをI証人は「打ち合わせ」と称していましたが、同じものを対外的に通りがいいように「経営会議」と言うことがあったわけです。
債権者から何か迫られたときに「持ち帰って弁護士に相談します」という内容を「社に持ち帰って経営会議にかける」というわけです。
これが、最初に事件をでっちあげた浦田検事の作文によれば、経営会議で安田弁護士が資産隠しを「指示」した、というふうに捻じ曲げられたわけです。
さんざんこのような検察の手口は1審で明らかにされてきたわけですが、検察は臆面もなく、控訴審でもそういった「言葉遊び」に等しい操作を繰り返そうとしているように思えてなりません。
